ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2014.3.8 03:55ゴー宣道場

高森・切通動画に驚いた


高森・切通両氏の動画「時事楽論」の

AKB48論』から『大東亜論』へ」が本当に凄くて感動した。

褒めてくれるのは気恥ずかしいし、仲間内の本だからという

偏見も持たれると思っていたが、

この二人の評論は本当に勉強になった。

女の群像劇」も「男の群像劇」も、わしの描き方が

評論から感性に移行してるし、いわば左半球から右半球に

移行した本になってるから、わし自身が主観的で、

無意識で描く作品になっている。

どちらも絵の力が大きくなってきた。

だから、わし自身の無意識を言語化する評論は、

とてもありがたい。

 

切通氏が言うように、『AKB48論』がメンバーに

インタビューせずに、「一期一会」を微細に描く手法に

したというのも、その通りだし、それは握手会での

メンバーとファンとの「一期一会」の感動とも繋がる。

 

AKB48論』の中の「人に優しくされたら同じことを

自分が出来るか?」というメッセージも、

人間と人間の結びつきの貴重さを問うてるし、

それは『大東亜論』の血肉の通った人間と人間の

紐帯と衝突を描く意識と通底している。

ネット間での匿名の紐帯や衝突には何の意義もない。

生身の人間の「一期一会」こそが貴重なのだ。

 

熾烈な競争社会でサバイバルする美しい少女たちの

本気・マジ」を見るヲタたちが、果たしてその

本気・マジ」に影響されているかどうかが怪しい

という皮肉も、言いにくいことだが、『AKB48論』には

描いてしまった。

同じ「本気・マジ」の生き方を、『大東亜論』でも

描いている。

 

高森・切通両氏には、わし自身の無意識を指摘される

驚きがある。

高森氏の言う、来島恒喜のテロこそは実は

近現代のテロの頂点」だというのは、

まったくその通りだ。

だからこそこの本は、左翼リベラル陣営も話題にしないし

アメリカの「テロとの戦争」に全面同意した

自称保守陣営も話題にしない。

一つ間違えば、テロ賛美論にも繋がりかねない危険な書は、

右にも左にも理解できない状況に、今はなっている、

 

切通氏の「啓蒙主義の限界という考え方の胡散臭さ」も

まったくその通りだと思う。

そして高森氏が頭山の「大西郷遺訓」を引いて、

少数の意義」を説いているのがさすがだし、

今後の展開の予見も見事と言うしかない。

今の時点では『大東亜論』について、

ここまで読める人はいないと思っていた。

ぜひこの動画を視聴してほしい。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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